坂の上の雲 其の壱
坂の上の雲より ー司馬遼󠄁太郎 著
明治維新後日露戦争までの三十余年は文化的にも精神史のうえからでもながい日本歴史のなかでじつに特異である。
これほど楽天的な時代はない。
町工場のように小さい國家の中で部分々々の義務と権能をもたされたスタッフたちは、世帯が小さいがために思うぞんぶんにはたらき、そのチームをつよくするというただひとつの目的にむかってすすみ、その目的をうたがうことすら知らなかった。この時代のあかるさはこういう楽天主義(オプティミズム)からきているのであろう。『坂の上の雲』はその日本史上類のない幸福な楽天家たちの物語である。
やがてかれらは日露戦争というとほうもない大仕事に無我夢中でくびをつっこんでゆく、百姓國家がもったこっけいなほどに楽天的な連中がヨーロッパにおくえるもっともふるい大國の一つと対決しどのようにふるまったかという事を書いた作品である。
ーNHKでドラマ化された時、冒頭で流れるこの文章。渡辺謙さんの朗読と映像とが相まって印象深く心に刻まれている。司馬遼󠄁太郎さんのこの秀逸な文章で始まる『坂の上の雲』は、この混沌として先の見えないコロナ禍の今、改めて讀む事で多くの示唆を与えてくれるような氣がする。
主人公の格数は・・・
●秋山好古 1859年2月9日生まれ 己未
空12格(木)心9格(水)艮11格(木)仁14格(火)全23格(火)六白金星
総合的に機動性に優れた大吉数を持っている。強烈なエネルギーを備えており、一代で地位を築く。素晴らしいパワーを持つ。強烈で短氣、我儘な性格に陥ることも味方も多ければ敵も多い。せっかくの味方が次の日に敵になってしまう事もある。
如何なる世界でも無から有を生じる力があり、立志伝中の人的な成功をする。計画的に物事を進める。芸術的才能に長けるが家庭運は薄い。人に対して喜怒哀楽が激しく、やや移り気だが明るく華やかに振る舞いどんな人にも適応する。知的な仕事で成功する。
●秋山真之 1868年4月12日生まれ 戊辰
空12格(木)心13格(火)艮14格(火)仁13格(火)全26格(土)六白金星
総合的に実力、才能を兼ね備えた英雄運を持つ。欲を出すと運氣のバランスが崩れる。着実歩みを進めて吉が続く。自信過剰から足元掬われ人生の落とし穴に嵌る場合もある。「色難」有り、スキャンダル、男女間のトラブル注意。
仕事では燃ゆる火の如く活発で機を見るに敏、活気旺盛明朗活發、好氣を掴むと決断や早く積極的に行動して大成功。一瞬の休みもなく仕事を大成発展させる。頭の回転の早さが特徴。周囲の人の協力な援助を受け順調に成長し若くして成功を得る。健康運強く名声を得る。家庭運も強い。
●正岡常規(正岡子規)1867年10月14日生まれ 丁卯
常規:空13格(火)心19格(水)艮22格(木)仁16格(土)全35格(土)七赤金星
総合的に頭のキレが良く弁舌も立つ。學問、文学、芸術、芸能分野で大いに力を發揮し地位や名誉を築く。頭が良すぎて人生に「迷い」が生じ決断が鈍る場合がある。自分の強運を信じないとせっかくのツキを逃し人生空転してしまう。神経の使いすぎから心臓の病気に注意。目的が見つかると達成へ向けて一氣に突き進む。指導力が強い。周囲の信頼を受け、協力を受け人脈広がる。やや自己中心的に注意する。
子規:空13格(火)心11格(木)艮14格(火)仁16格(土)全27格(土)
総合的に名誉、権力に強い。運命のパワーと豊かな才能を發揮する。特異な個性で成功をおさめる。強運と同じくらい凶運も引き寄せる。不慮の災難が起きる。仕事面では強力な援助を受け大きく發展する。
3人とも「金」が強いので自分を磨けば磨くほど光輝き成功をおさめる。意思の強さが「吉」へと転がる運氣。
■名言
質問の本意をきく
質問の本意もきかずに弁じたてるというのは「政治家か學者のくせだ」こちらに求めようとしていることなどをあきらかにしてから答えるべきことを答える。そういう癖を平素身につけておかねば、いざ戦場にのぞんだときには一般論のとりこになったり独善におち入ったりして負けてしまう。
「考え」というものは液体か氣体で要するにとりとめがない。その液体か氣体に論理という強力な触媒をあたえて個体にし、しかも結晶化する力が思想家、哲学者といわれる者の力である。
人間に対する執着はつまり愛である。
人の師となり親分なりに対するぜひ欠くことのできぬ一要素は弟子なり子分なりに対する執着であることを考えずにはいられぬのである。たとえばそれは母の子を愛するようなものである。
自分の事業を『一生の大道楽』と表現する。
戦術は目的と方法をたて実施を決心した以上、それについてためらってはならない。明晰な目的樹立、そしてくるいない実施方法そこまでのことは頭脳が考える。しかしそれを水火のなかで実施するのは頭脳ではない性格である。平素そういう性格をつくらねばならない。
人間の頭に上下などはない。要点をつかむという能力と不要不急のものはきりすてるという大胆さだけが問題だ。従って物事ができるできぬというのは頭ではなく性格だ。
発想法とはまず物事の要点はなにかということを考える。要点の發見法は過去のあらゆる型を見たり聞いたり調べることであった。
研究方法とは過去の実例を引き出して徹底的にしらべること。それから得た知識を分解し、自分で編成しなおし自分で自分なりの原理原則をうちたてる。自分がたてた原理原則のみが応用のきくものであり、他人から學んだだけではつまりません。
■司馬遼󠄁太郎の言葉
歴史への接近はひとつの感じをもとめて行く作業。
歴史の主人公ににおいとか感じを飽くことなく求める。
足ではなく『手掘り』の重要性
史観は歴史を掘り返す土木機械。土木機械は磨きに磨かねばなりませんが、その奴隷になることはつまらない歴史をみるとき。ときにはその便利な土木機械を停止させて手掘りで掘りかえさなければならないことがあります。
●司馬遼󠄁太郎 1923年8月7日生まれ 癸亥
空15格(土)心29格(水)艮37格(金)仁23格(火)全52格(土) 五黄土星
この名前はペンネームですが、バランスの良い大変良い名前です。たぶん相当調べてこの名前にしたのではないかと思います全体が52格で強運数です。鋭い感覚財名に惠まれ、創造性ある強運名。新しい事に挑戦して大吉。無より有を生じる。一躍成功する行動力がある。機を見るに敏。周囲との関係も大吉の23格。この名前最強ですね。